自転車日本一周記
4月18日 第三日目 山梨-(16号)→長野(諏訪湖のあたり)


雨。雨。雨。雨。
天気予報では、木曜までずっと、雨。
それどころか、今日、明日は雪まで降るらしい。
結局寒さで眠れず、震えながら、起きる。
大学サボって、何やってるんだろ。

信州大学でからあげ丼を食べる。けっこううまい。



ここの学食にはみそ汁マシーンがある。ボタンを押すと、いっぱい分のみそしるがでてくるのだ。
すごいハイテクである。もう一回やりたかった。




日本浮世絵博物館へ。
北斎の波に惚れる。浮世絵って昔はみんな同じパターンの絵だと思っていたのに、線が自由ですごい。写実的に描くこともありながら、写実に縛られない、存在しない自由な線。


 雪が怖かったので、漫画喫茶で一晩潰すことにした。
ネット友達のエアロさんと会うための予習で「武装錬金」を読む。
エアロさんが好きらしいから。うまくはなせるといいな。
ホットチョコレートとポタージュを飲みまくる。
一晩、1300円。


4月19日 第四日目

腰、痛い。背を伸ばして、漫画喫茶の外に出る。
結局、3時間しか寝てないや。

光が、眩しい。

{ そして________山に、雪が積もっていた。

本当に降ったよおい。
野宿しないでほんとうに良かった。
早朝、自転車の専門店をみつけた。
朝6:00だから、やってないだろうなあと思っていたら、店に入れてくれて、色々なことを教えて頂いた。
店長さんも昔自転車で旅をしていた人で、
「基本、軍手最強。これにビニール手袋のコンボで完璧。」
なんてテクニックを教えてもらったりした。
特にチェーンの切り方を教えてもらったことに感謝。お礼もかねて、シフトワイヤー、チェーンカッターなどの店長おすすめ消耗品を購入しておくことにした。

ごきげんになって街をこいでいると、角から急に出てきた車に撥ねられた。
1mくらい吹っ飛んだだけで、身体にあまり異常はなさそうだったけど、自転車が心配だ。自転車は横からの衝撃に非常にモロい。
幸い、さしてダメージはなさそうだが、フレームに影響が出てこないか、少し怖い。運転手さんが降りてきた。彼は、携帯電話を使いながら運転していた。
そのことに僕は少し怒っていたが、心配されて、いい人そうだったので怒りが消えてしまった。
何かあったら連絡をくれ、といって、僕に5000円を渡して彼は去って行った。
誠実とはいえないかもしれないけれど、まあいいかと思ってしまった。
それよりも恐ろしかったのは、落とし物が無いチェックしたときにキャッシュカードを無くしたことに気づいたときだった。
今朝、ぼーっとした風邪気味の頭でお金を下ろした時に、ATMに置いてきてしまったらしい。
急いで連絡してキャッシュカードが使われていないかをチェック、とめてもらった。
 しかし、金がない。さっきもらった5000円と数百円が現在の全財産だ。
これでカードの再発行までしばらくやっていくのは厳しい。
 手帳に予備のカードを仕込んでおく予定だったが、面倒でサボっていた。
結局親にもう一枚もっていたキャッシュカードに振り込んでもらい、援助をしてもらった。
情けない…2万円でいいといったが、5万円、振り込まれていた。

だいじょうぶなのか、僕。情けなさ過ぎる。

塩尻峠を登ると、

雪が積もっていた。それをぎゅっと握って、壁に叩き付けたりして遊んだ。

しかし、服装が軽装すぎて寒い。1mmちょっとのウィンドブレイカーと、ポロシャツ一枚なのだ。とっとと下る。よろよろと雪の積もった道を避け、白い珊瑚みたいな枝から落ちてくる雪に気をつけながら、
するすると下っていった。


進行方向は、金沢方面。以前旅した時、僕はここ長野から安房峠を越えようとして挫折している。警察の方に、そんな軽装じゃ、凍死するぞ、と言われてやめたのだ。今度は、越える。
安房へと向かう道の桜の咲く公園にテントを張った。
塩ラーメンをつくる。美味。




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