自転車日本一周記
4月24日 第9日目 金沢―(8号?)→どこか。

 久しぶりに、雨の無い日。
ほっとする。自転車旅で何がいやって、雨でぐちゃぐちゃのまま寝袋にくるまった翌日、
雨でまだしめっている靴下と靴に足を突っ込むときほどいやなときは無い。
 今まで殆ど毎日雨だったのだ。

ごきげんな気分で朝ご飯のを作っていたら、昨日のおばさんがくれた即席ごはんのトレイを火で溶かしてしまい焦る。
おなかを満たし、出発しようとした時、米を入れたビニール袋に穴が開き、穴から米があふれ出した。ああああああああああ。
必死に回収する。

 今日はずっとずっと楽しみにしていた金沢21世紀美術館にいけるのだ。
この旅で行ってみたい美術館ベスト3には入r


展示入れ替えの為閉館

21美が消えたため今日は前進した。
レアンドロエルリッヒのプール入ってみたかったのに


ただし、休みなのにけっこういろんなところに入れたので楽しかった。
藩老本田蔵品館や金沢県立美術館、金沢能面美術館などには行ってみたが。
能面美術館は非常に勉強になった。
シテ(主役)の相手ワキは現実に生きる男として登場し、絶対に面はつけないことや、
鏡板は音響効果も持っており、
描かれる老松に関しては神が宿り「よりしろ」と呼ばれたりすることなどが興味深かった。
世阿弥の風姿花伝はかっこいい。
"いづれの花が散らで残るべき。
散るゆゑによりて咲くこそあれば、珍しきなり、
能も、佳するところなきを、まづ花と知るべし"
死ぬまでにこんな言葉を言えるひとになりたいものだ。
"花と申すも、去年咲きし種なり"

結局よくわからないどこかの土手でキャンプ。
水場が無いがしかたがない。
キープしたものでごまかす。



近くの公園で食器は洗った。



夕食は3人前くらいのミートソーススパゲティ。もやしのお味噌汁。
蛙の声を聴きながら、真っ暗闇の中食べる。
満腹になったら、道路の真ん中に横になった。

 誰も通らないから、静かだ。
視界を遮る者がないから、道路の真ん中に寝転がってぐるっと眼を巡らせると、
建物でギザギザの地平線がみえて地球が丸いってわかる。
空は曇り空で、何も見えない。
だけど、眼鏡を外していたから、たとえ見えたとしても、
僕には見えない星も多いのだろう。

久々にハーモニカを吹いた。へたくそだった。

少し残っていた味噌汁を飲む。
あ。スパゲティ入ってる。


4月25日 第10日目   どこか―(8号)→福井県


福井県立大学でオムライスを頼む。
県立大は生協じゃないので大満足。
本当はオリジナルメニュー、唐揚げ丼を頼みたかったけどもう終わっていた。
唐揚げを卵で閉じてのっけるらしい。無念。
でも揚げ餃子とハンバーグもついて440円は安い。
道沿いにあった、ジャングルみたいな廃道をみつけ、ノリで潜入してみたら、
ホテルの廃墟だった。ここは後にしったが、日本で一番古いラブホテルらしい。
ここで、反省すべきことを多く学べた。
まず、三脚をちゃんと使うこと。手ぶればかりになってしまった。
辻に、ホワイトバランスやシャッター速度くらい考えられるようにならないとダメということ。基礎。







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ロクな写真が撮れず。腕不足を再認識した。

福井県立美術館ではアルブレヒト・デューラーのエッチング画をスケッチさせてもらう。
 おじいさんの絵なのだが、無駄な線が無い。エッチングは勉強になる。


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