自転車日本一周記
4月30日 第15日目 京都―(9号?)→どこかー
本当に、きれいに空は晴れた。
「いー天気やなぁ。」
「えぇ。」
自転車にまたがる。
手を振って、別れる。
イヤホンを耳にはめる。
かける曲は、あの本棚にあった、サッチモの"what a wonderful world"。
ヨシカワさんの、「好っきゃなぁ。」っていう僕の好きな言い方を思い出しながら。
歌いながら、自転車をこぐ。
I see friends, shaking hands, say
"how do you do?"
And they really say
"I love you."
調子にのって、今日は110kmくらいまでこいだ。
体が軽い。しかもお昼は、昨日の「侘助」の方々が持たせてくれた、
花山椒のおにぎりと手羽元なのだ。
美味。
自転車をこぐだけで楽しい。しあわせ。温度も27度くらいまで上がり、
なんだかずいぶん気の早い夏みたいだった。
暗くなって休んだところは、兵庫県の300m手前、桝塚古墳。
調子に乗りすぎて側溝におちて手にけがをする。痛い。
夜目が利くと思い油断していた。もし崖だったら死んでいる。反省をしなければ。
5月1日 第16日目 兵庫―(9号)→
ラジオペンチ、六角レンチ、ポリタンク購入。
燃料を白ガスは高いので、灯油に代えてみる。火がなかなか安定しない。
燃料パイプの掃除をそろそろしなければならないかもしれない。
この調理に使っているMSRウィスパーライトインターナショナルはガソリンを燃料にするコンロみたいなものなのだが、
正直言ってガスコンロに慣れている僕には怖いし面倒だ。
まず、プレヒートといって、コンロ自体を暖めて、燃料を気化できるようにしてから着火することで使用可能となるのだが、この準備が面倒。これは慣れるとぼけっと火を見ていると楽しく、山屋やキャンパーに「儀式」と呼ばれる理由もなっとくできる。
次に、燃料だ。これは後に車などと同じガソリンを使うことに落ち着いたが、
ガスとくらべ、燃料の入手も面倒くさい。正規のホワイトガソリンは高いし、入手が難しい。
灯油も使えるが、ススがものすごい。これは後々知ることになった。
最後に、火力調整が殆どできないのだ。
結論としては、日本国内を旅する人にとっては、いまいちだ。
ガスコンロが圧倒的に楽なのだが、僕は海外へも行くことを考えているので、
燃料の入手がしやすく、メンテナンスも楽、ハイパワーで風の強いところで使える、という点でこちらに軍配が上がり使っている。
加えてバイク旅なら予備燃料ボトルとしても使えるし、逆にバイクから燃料もとれる。
今日はいろいろと勉強になる1日だった。
パンクを3回直した。人生初パンクである。
実は僕はパンクを直したことなど一度もない。
その上、今日は豪雨だった。
びしょ濡れになりながらこいでいたら、気づいたらパンクしていた。
落ち着いて、空気を抜き、タイヤをホイールから外す。
ホイールを見るが、特に刺さっているものなどはない。
リムを打つほど空気が少なくはないから、何かが刺さったのだろう。
近くの墓地の水道に水をため、パンク箇所をチェック。パッチをあてる。
これで完璧、と思ったが、目に見えないくらい小さい穴がもうひとつあいていたらしく、
もう一度修理する羽目になった。この後さらに、空気が少ないせいでパンク。
気力は萎えたが、勉強になった。
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