自転車日本一周記
5月8日 第22日目 山口―(9号)→下関

 長かった国道9号にもそろそろお別れだ。国道2号に入る。
とりあえずの問題は、
・ 沖縄、屋久島へのフェリー代をチェックすること
・ 大学の試験期間、レポートの有無などの確認
ぐらいだ。
あとよく考えたら、旅の時間が足りていない気がする。
まぁいざとなったらどこかをショートカットして間に合うだろう。
我ながら何も決めていない。山口県立美術館で思った。
 ここは高橋由一がある。「鴨図」すばらしい。

関見台公園という、鯨があるステキ公園で野宿。
しかし公園にガスコンロやパンの袋、ビニルケース、コンロのガス缶などが捨てられていていらつく。
街のゴミ箱までは遠いが、仕方なく片付ける。
最低限のマナーは守って欲しい、とか思ったが、分別できるゴミ箱がなく、仕方なく一つのゴミ箱に入れた僕も人のことはいえなかった。
そのことがさらにいらだちを募らせた。
海がすぐ近くだ。波の音が聞こえる。
ご飯がかつてなく巧く炊けた。
実はこのご飯、ヨシカワさんがくれたお米の最後だった。
豚のタン塩焼き、目玉焼きでささやかな打ち上げ。
本州に明日でお別れするからだ。
こんなときにハーモニカがもっとうまく吹けたりできたらな、と思う。
何かができたらなぁと思う。
絵を描くことでもいい。
文章を書くことでもいい。
______________人と、交わることでもいい。
だけど、僕にはそれらのどれもできないから、
だから、僕はペダルを踏もう。






5月9日 第23日 下関市―(海底トンネル)→北九州市(福岡県)

出発しようとしたら、10mも進まないでパンク。
しかもなかなか破損している場所がみつからない。
水道へいき、左手で排水溝にビニール袋を押しつけ、右手で蛇口をひねる。
水がたまれば、その水圧でビニール袋は動かない。穴が2カ所開いていた。
 そろそろ寿命かもしれないので、このチューブは廃棄処分。
26×1.5から26×1.25のチューブに変えてみた。走行感は変化せず。

 下関美術館のフンデルトヴァッサー展を堪能。警備の方と仲良くなったら、その話しが学芸員の方にも伝わったらしく、少し話しをする。
 続いて海響館。遠足だろうか、子供たちがいっぱいいる。
それはまだいいのだが、水族館内を全力で走り回る集団がいてこれには閉口した。
何周まわるかを競っているらしく、「俺2週―!!」とか叫んでいる。






関門海峡を再現した水槽や、僕の好きなピラルクーなどの巨大魚もいてとても楽しい。
こちらに背を向け、壁に顔をくっつけてぴくりともしないマンボウとか大好きだ。
フグの美しすぎる眼も好きだ。機会があれば、ふぐの目を覗いてみて欲しい。






今日はこの2つを見るのに時間をかけすぎて10kmも進んでいないのにすでに夕方近いが、
本土と九州を結ぶ海底トンネルへいざ出陣。





通行料、20円。どこに払えばいいのかわからないでいたら、
地元の野球少年たちに話しかけられる。
激励してくれた後、食べていたスナック菓子をひとつまみくれた。
しゃくしゃく食べながらエレベーターへ。
自転車のまま通れるらしい。
意外と広々とした空間で、なぜか陸上部らしき人達がいっぱいいる。
エレベータをご一緒したおばさんと話しながら歩く。





そして、県境。福岡県突入。
北九州市、到着。
門司港から199号へ。巨大廃工場を目指す。




が、進入はかなり厳しそうだし、監視カメラもありそうだ。
突破できなくもなさそうだけど、ちょっとリスクがでかい。

明日、また考えてみよう。






next
記事一覧へ
back

inserted by FC2 system